サッカーと勉強の両立 チャレンジストーリー

サッカーと勉強の両立は、日本でも、海外では特に米国で、重要なテーマになっています。
このコーナーでは、一人の少年のサッカーと勉強の両立へのチャレンジストーリーをお届けします。スポーツと勉強の両立に奮闘する皆さんへの希望や助けになれば幸いです。


  • 1.ヨシのサッカー年表
  • 2.節目の時期
  • 3.受験も頑張るアスリートのおもしろ名言集
  • 4.TOEFL100を達成

ヨシのサッカー年表

6歳半年間 ハワイでクラブチームに所属
7歳(小1) 転校した先の公立小学校サッカークラブに入部
8歳(小2) 雨でも練習が休みにならないチームに入りたいとリクエストがあり、世田谷の名門BUDDY SCに入部
9歳(小3) 公立クラブを退部しBUDDY SCで本格的にサッカー生活に入る(母も送迎とサッカー、陸上クラブに帯同の本格的サッカーママ生活の開始)
10歳(小4) 東京都大会で優秀選手受賞(初めての受賞)
11歳東京ブロックトレセン(初めての選抜)
12歳 東京都トレセン、東京都代表チームを経験(この頃の仲間たちに現在プロ選手多数)
13歳 神奈川県桐蔭学園サッカー部(帰国生入試で桐蔭学園中等教育学校に入学)
14歳~15歳 怪我と成長の遅れで体調が安定せず、チームとしても個人としても成績を残せず終わる
16歳(高1) 兵庫県滝川第二高校に進学
17歳(高2) 県選抜入り
18歳(高3) 高校総体全国ベスト8、選手権県大会敗退後(11月初旬)大学受験勉強に専念、進学先を国立大学工学部に決め、下宿生活開始
19歳(1年生) 大学リーグ1部3位 新人賞受賞シーズン終了後、年始のオフに三角骨除去手術を受けリハビリ生活に入る学年変わり復帰するが手術の影響はシーズンを通して残り、納得の結果が出せず…
21歳(3年生休学)

3月から7週間IMGアカデミーに短期留学

7月~8月全米大学リクルーティングキャンプ参加 結果はこちら

2017年4月(3年生) 大学サッカー部でラストシーズン。選択すれば、もう1年選手登録が可能だったが、同級生たちと同時に引退することを選択。

10月引退以降は、学業に専念。

2018年(4年生)

優秀な教授陣が揃う理系研究室に滑り込み合格。

2019年(修士1年)

東京大学大学院工学系研究科航空宇宙専攻入学

先生方、先輩・後輩皆さんのお世話になり、多くを学ぶ。

写真

サッカー生活の始まりは、ハワイのこんなフィールドでした

節目の時期

 

 

◎小6

あるJクラブで最終審査と称し4週間練習参加し結果不合格。

初めから取られる選手、最後に取られない選手の差を実感させられる。

その後、Jクラブを深追いせずに、サッカー強豪・進学校を条件に中学受験に専念することを決める。受験勉強開始はすべて引退になった6年生12月。家族皆で夢見ていたJクラブのユニフォームへの思いも強かったが、この頃から息子は、高校までは思い切りサッカーをやりたい、大学はサッカーだけでなく勉強もできた方がいいと思うといった発言をしていた。

 

元日本代表三浦泰利監督のもと、世田谷区の選抜キャプテンとして活躍できた小6前期はJ下部のスカウトにもマークされていることが度々伝わってきたが、全国へ繋がる都大会準決勝でチームの敗退後、本人評価も下降したのだろう、スカウトの指導者たちの態度が様々変わったのを覚えている。これは、サッカーママとしては貴重な経験かも。

 

 

◎中3

大学受験に強い中高一貫校のまま進み強豪でないサッカー部に移るか、スポーツに強い同校高等部に移り強豪サッカー部に残るかの選択肢に加え、兵庫県滝川第二高校のトライアウト参加のチャンスが訪れた。

中高一貫進学校を出てまで兵庫に移るほどの覚悟はなく臨んだトライアウトで、監督から「来るなら1枠取ります」との言葉を頂く。

プロを多数輩出する全国的な強豪校で皆がサッカーのために来る学校であることや、技術重視のパスサッカーと自由な攻撃スタイルにロマンを感じたらしく、兵庫での滝二進学を望むように。中1から息子のサッカー魂を理解して下さっていた中学の担任が「大学受験で中学の同級生たちに負けない結果を出せばいい」と励まして下さったことが、ありがたき後押しとなった。

 

タイトルの、「恐らく人生を変えた選択」はここ。

そして、この選択は間違っていなかった。

 

 

◎高3

サッカーが上手くいけば、学年上がるにつれ受験勉強に費やせる時間は取りにくくなると想定し、高1から東進衛星予備校にフルに通うことにする。

結局3年間東進のお世話になり、主な勉強時間は学校の授業中や休み時間、部活後夜、塾での数時間になる。帰宅後夜11時を過ぎて夕食、サッカーウェアの洗濯をする日々になり、母の方が辛かった1年間。

息子の様子はといえば、やはり公式戦や大きな試合の前日は勉強に集中しにくくなるようだったが(コンディション調整や試合準備も必要など)大きな試合でも遠征でも、終了後はすぐに勉強モードに変わっていた。

疲れて勉強が手につかないということほとんどなく、試合後はすぐに切り替えられるというのは、両立面で彼の大きな強みだったかもしれない。

 

また、ほとんどが推薦入試で進路を決めていくチームメイト達だったが、遠征中ただ1人センター受験を目指す息子に「おまえ勉強しなくてええんか」と言ってくれたり、問題集や単語帳を開く息子に絶妙な邪魔を入れながら見守ってくれた…と聞いている。また恐らくチームメイトは興味がないはずの「英検1級単語帳」。愉快な仲間たちは、息子に問題を出してくれたり、クイズのように遊びにして一緒に盛り上がってくれたんだそう。それぞれに強烈な「個」をぶつけ合い受け入れ合う、熱きサッカー少年たちが集まる強豪校だった。

 

 

◎大4

大学3年までサッカーと勉強の両方に取り組んできましたが、3年で同期メンバーと共に引退を選択し、4年は研究室と大学院進学に取り組むことに。大学進学の際も、米国でサッカー編入を考えた際も「理系」で進むことに拘ってきましたが、やっと自分が進みたい分野が見つかり、航空宇宙工学分野のスタートラインに立ちました。

 

 

◎修士1年

右も左もわからない研究生活で苦労の1年間を過ごした様子。大学・大学院と、高校3年間サッカーで過ごした影響の大きさを痛感する時間となった。7月英検1級取得。

写真小6清水カップ全国大会優勝時

 

 

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受験も頑張るアスリートのおもしろ名言集

サッカー中心の生活で短期決戦の受験対策を続けてきた息子の、なるほど名言集。

アスリートらしい開き直りが参考になることもあると思うので紹介します。

 

「英検3級は準2級単語をマスターすれば受かる、英検2級は準1級単語をマスターすれば受かる」

・・・英検準1級3度目の受験で、1級単語まで勉強して合格

 

「クソー!!どっからでもかかってこい!」

・・・センター試験前夜、超ハイテンションで塾から帰宅。

 

ほとんどサッカーの試合前と同じ(笑)

準備万端なはずもなく、やけくそでもこう考えるメンタルはなかなかいいと思う。

 

「1日目失敗しても、2日目満点なら受かる」

・・・センター試験1日目散々な国語のあと…2日目理系4科目合計で得点率96.5%

 

「(自分は)日本人としては国語のレベルが低いが、英語レベルがネイティブと同じになれば自分の国語は強い」

・・・自分の国語力への諦めから…更に英語力アップを目指す逆転発想に

 

TOEFL100を達成

◎2014年7月(北大1年生) 米国大学サッカーリクルーティングキャンプに3つ参加

(3週間でコネチカット州~NY州~カリフォルニア州を巡る3000キロの旅を経験)

複数の大学指導者から興味ありと伝えられるが、希望の大学には英語スコアが足りず出願は断念

(当時のスコア TOEFLiBT 65 SAT Reading 440/800 Math 750/800 Writing 440/800)

 

◎2015年9月 TOEFL iBT100をマーク

(スコア内訳: Reading 25/30 Listening 26/30 Speaking 26/30 Writing 23/30)

2015年11月 SATもスコアアップ、Reading 630/800 Math 800/800 Writing 660/800

(アイビースクールを含め、多くの米大学が射程圏内に入るスコア)

 

 

 

【TOEFL100対策個別指導提供の河野塾・河野先生より、参考コメント】

 

万浪:さて、この度は大変お世話になりました。遠隔のスカイプ授業1コース(1回1時間が15回)でTOEFL100を達成して下さいましたこと、正直申しますと凄いなぁと驚きの気持ちが強いです。

可能なんですね… 先生の指導のお力、改めて感じさせて頂きました。

 

先生:スコアアップに貢献できたことは、大変うれしく思います。ただ、今回はご本人個人の能力に負うところ大でした。海外在住経験から来る発音やリスニング能力の高さがありましたし、総合的な基礎力が、やはり日本で学習してきた子たちとは違いました。 加えて、彼にはいわゆる「地頭の良さ」があり、努力を厭わない気概もあります。体育会系で鍛えられてきたことも大きくプラスに働いているように感じました。

 

万浪:参考にお聞きしたいのですが80~90レベルの生徒が、100を超える確率はどのくらいなものでしょうか。対策すれば、100達成するのは難しくないものでしょうか?

また、どの生徒でも対策すれば届くスコア…と言いますと、どのくらいになりますか?

 

先生:現状80~90レベルを持っている人は、全員100に到達するポテンシャルがあります。 ただし、到達までの時間は人によって違います。音声面に関する能力が高ければ、ほかの面を鍛えることで比較的素早く100に達するでしょう。逆に、日本の大学受験などで培った力で80を超えてきた人は、音声面での壁にぶつかり、これを乗り越えるのに相当の時間を要するでしょう。また、先ほど述べた「地頭の良さ」や好奇心の強さなども関わってきます。しかしいずれにしても、80を超えていれば、あとは適切な指導を受けるなり、適切な学習法を自分で思いつくなりすれば、100に達するはずです。

 

一方、「どの生徒でも達するスコア」を言うことは難しいです。例えばこれまで学校での勉強もほとんどせず、受験なども回避してきたような人は、勉強することそのものに慣れておらず、勉強そのものを苦痛に感じるため、長続きしません。したがって、点数が出る前にあきらめてしまいます。またそのような人は総じて知的好奇心が弱く、これまで本を読んで積み上げた知識などというものもないため、TOEFLに出てくるようなアカデミックな内容にはついていけません。その場合は、60点以下に留まることもあるでしょう。

 

しかしながらあまり勉強してきた経験はなくとも聡明で、好奇心もあり、やる気もあるという子は、かなり苦労はするものの、80点に到達する可能性は大いにあるでしょう。ただし、多くの学習時間が必要です。また、やはり適切な指導が必要です。

 

 

*参考コメント 河野塾・河野太一先生

河野塾

http://www.konojuku.com/

河野塾は、東京都目黒区下目黒にある「寺子屋的」徹底指導の英語塾です。「TOEFL(R)テスト・IELTS・GMAT対策」「社会人向けやり直し英語」を丁寧に教えられています。

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